味わい深いデザイン

アンティーク家具とアジアン家具

家具、という言葉を使用するとどうしてもまず連想するのは日本でも、中東でも、アメリカといった国でもない。それぞれで使用されていた文化的な家財道具は存在していたと思うが、現代に広がる箪笥やクローゼットといったものを最初に文化的に取り入れていたのは、何を隠そうヨーロッパ地方だ。日本では襖を利用した押入れなどを用いて収納としていたが、クローゼットといったものが日本で一般市民にも広く流通し始めるようになったのは明治期以降の日本においてだ。それまで欧州地方の家具を購入するとなったらとても高額な値段で取引されていたため、とてもではないが市民が手を出せるものではなかった。ただそれは役人などの比較的裕福な階層で商売をしていた人々においてもそうだ、ようやく大勢の人が日本産の家具だけではなく、世界の家具を利用出来るようになっていったのは昭和期に入ってからのことだろう。それも世界大戦の敗北から建て直しを計る時期に掛けてのことと予想する。

それまで見た事がなかった異国の家具を見て心が躍る思いを当時の人々は感じていたのかもしれない、今となっては何処にでも存在するものとして扱われているため実感は無いが、やはり出てきたばかりの頃は未知のものに興味を示すのは人間らしい性といえる。そんな折、世界から様々な家具が輸入されるようになり、そして日本も高度経済成長期などを迎えるようになると世界の文化に触れることも多くなる中、ヨーロッパを中心とした家具には日本人は大いに注目して、積極的に導入して行くこととなる。そんな中で、一際高価で、そして誰ももっていないような調度品として扱われることもある『アンティーク家具』なるものに注目する資産家も出てきた。

ここではそんなアンティーク家具について、アジアン家具と比較しながら話をしていこう。

アジアン家具とアンティーク家具の外せない共通点

アンティーク家具とはいわゆる歴史を帯びた美術品、もしくは芸術品と称して申し分ない家具の事を指している。アンティークという言葉を使用しているとなにやら重厚な印象を持てるが、そもそもアンティークについて定義を求めるとするなら、輸入関税に関する法律の中ではきちんとした定義が出されている。それは『製作されてから100年が経過しているもの』ということだ。つまりだ、さきに紹介したコルドバ大聖堂で製作されたマホガニー製の椅子もまたアンティーク家具として分類することが出来る代物となっている。

ここでアジアン家具との共通点としてあげる物は『製作されてから時間を置くことで更に価値を高める』という点だ。ただアンティークに関して言うなら時間経過の長さはおそらくアジアン家具とは比較対象に挙げることすらおこがましい、天秤のはかりとしては相応しくないという人もいるかもしれないが、ここはあえて同じ土俵に置かせてもらう。だがここで仮に、最初はアジアン家具をモチーフとした家具がその後100年間壊されることなく、毎年必ずキチンとしたメンテナンスを受け続けている状態で、保全された形態を保てていれば『アンティーク家具』と称することが出来るかもしれない。無論厳密に言えばアンティーク家具というには無理はあるが、実際それだけの時間だけ耐えられるだけの耐久性を両者は持っており、その共通点こそ使用している『木材』にある。

先に話したマホガニーとチーク、どちらの木材も中世ヨーロッパを初めとする国々で広く生産活動の材料として利用されていたが、どちらもアジアン家具を生産する上では重要な木材として利用されている。一見するとアジアとヨーロッパでは違いなんてないように見えるが、使用している木材で共通点が生まれるとは面白い因果だ。

超えられない決定的な違い

では逆にアジアン家具とアンティーク家具の違いを明言するのであれば、やはり製作する過程における話に関わってくる。アジアン家具はある程度デザイン性などを意識している様子もあるが、それは現代だからこそ出来る製法とも言える。加えて自由度という意味でも、アジアン家具に求められる点とするならデザイナーの意志が感じられる。

ただそうしたデザイナーの意識はアンティーク家具を凌駕するかどうか、という点で考えたら中々難しい、もしくは不可能だと断言する人もいるかもしれない。筆者もそれぞれ良点はあるにしても、価値という点ではアジアン家具がアンティーク家具を越える事はないといってもいいかもしれない。やはりそれこそ歴史を積み重ねてきた伝統ある芸術品へと昇華された家具だからだろう。またアンティーク家具として市場で取引されているものを見ても分かるとおり、中・近代ヨーロッパの文化的背景が詰め込まれているため、現代には無い装飾などが盛り込まれていることがある。それは単に知識として学ぶことは出来ても、技術としての応用についてはデザイナーからデザイナーへと継承されていくといった、そうでもなければ中々受け継がれないものだ。技術を知識という文章にまとめても、実際にその手法を身につけるのは出来るモノでは無い。そう考えるとヨーロッパなどで現在そういったアンティーク家具を扱っているお店を経営している人は膨大ともいえる知識を身につけていなければならないのかもしれない。時間が経過しているからこそ、それぞれの作品でメンテンスも微妙に異なるなどの違いはあるため、そういう意味でもやはりアンティーク家具の存在感はアジアン家具をも上回っている。

アジアン家具が注目され始めたのはおよそ世界がそれぞれの国を自由気ままに交通することが出来るようになったからこそ、その伝で日本で注目されて知名度を得たといった経緯だ。そのためまだ10数年という時間しかアジアン家具が表舞台に上がってからの時間と、アンティーク家具そのものの製作された年月も比べようもない壁がある。ただそれでアジアン家具の需要が減ることといった心配をする必要もないだろう、今後益々世界へと拡散させていけばまた違った可能性も見出すことが出来る、ある意味可能性を大いに秘めたのがアジアン家具といっても良い。

アジアン家具を大いに語る!

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